墨
墨の概略
- 墨を大別すると、固形墨と液体墨があります。
- 固形墨は、松煙墨、油煙墨があります。
- 固形墨は、硯で磨墨しなければなりません。
- 液体墨は、硯で磨墨することなく使用できます。大半がカーボンブラックと膠で造られているようです。硯ではなく墨池(墨を入れる器)を使用した方がよいと思います。
- 筆や硯に付着した固形墨は水に溶けますが、特に筆の場合、液体墨は洗い流す事が容易ではありません。
- 磨った墨と液体墨を混ぜての使用は相性が悪いので避けた方が良いようです。
- 墨の種類によって、膠を使用した液体墨と固形墨の墨液は混ぜても良いようです。液体墨を購入する際、販売者に聞き入れをお薦めします。
墨の色
墨の色の使い分けに決まりはありません。揮毫者の好みと思います。
- 濃墨は、主に「漢字書」に使われています。
- 清墨は、青みがかった墨である主に「かな書」に使います。
- 茶墨は、揮毫者の好みにより使用されます。
- 朱墨は、添削用としての使用が一般的です。
墨の形と大きさ
- 様々な形の墨があります。長方形の墨が一般的ですが、正方形や円形の墨もあります。
- 墨の大きさは重量によって分類されています。一丁型、、二丁型、三丁型、五丁型、八丁型、十丁型があり数字が大きくなると墨も大きくなります。
- 例えば、、一丁型は長さが約7.5cm、幅が約2㎝、厚さが約0.7㎝です。三丁型は長さが約11cm、幅が約2.7㎝、厚さが約1.2㎝です。五丁型は長さが約13cm、幅が約3.3㎝、厚さが約1.4㎝です。
- 墨の数え方の単位は「丁」で、墨3個は3丁と言います。
固形墨の墨磨り
- 墨を先端部を、硯の岡部分に注いだ水に浸します。(20秒程度)
- 墨の先端部分が馴染んだ感覚を感じたら墨を磨ることが出来ます。
液体墨(墨汁)
- 瓶形の容器に入っている液体墨(墨汁)は、墨池(墨汁を入れる容器)に必要な分を注ぎます。
- 硯形の容器に入っている液体墨(墨汁)もあります。硯形の容器は一個を購入する事により瓶形の容器から移し替えらますので便利です。忙しい方にお勧めです。
- 液体墨(墨汁)は硯に注ぐのは奨められません。墨地に注ぐ事をお奨めます。
宿墨
- 磨墨後、夏季では7~8時間程度、冬季では24時間程経過した墨液を宿墨と言います。
- 宿墨は煤と膠との関係が崩れ、墨色に艶が無くなります。
- 冷蔵庫への保管もよくないようです。
- 磨墨後、3時間ほど経過した墨が安定しているようです。